離婚後も同居するのはおかしい? メリットや知っておくべきことを解説

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離婚して婚姻関係を解消しつつも、従前どおり同居し続ける元夫婦が増えています。

離婚後も同居し続けることは、多様な家庭の形の一つですから、法的に特に問題はありません。ただし、内縁関係から生じる特殊な法律関係や、婚姻中とは法律上・税制上の取扱いが異なる点などに注意が必要です。

今回は、離婚後も元配偶者と同居し続けることについて、メリット、同居しながら異性と付き合うと浮気や不貞行為になるのか、また児童扶養手当(母子手当)、世帯分離や知っておくべきことなどを解説します。

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離婚後も同居することに問題はあるか? メリットは?

現代では、離婚後も元夫婦同士で同居しているケースはたくさんあり、法的にもおかしいところはありません。経済的な観点や、子どもの育児の観点を考慮すると、離婚後も同居を続けることには一定のメリットがあるといえるでしょう。

離婚後も同居することに法的な問題はない|ただし内縁関係に注意

法律上、婚姻していなければ同居してはいけないというルールはありません。結婚前に同棲するカップルや、友達同士でルームシェアをする方が大勢いることを考えればわかりやすいでしょう。

したがって、離婚後の元夫婦同士が同居することも、法律上何ら問題はありません。

ただし、以下の要件をすべて満たす場合には内縁関係にあると判断され、一定の法律効果が発生する点に注意が必要です。

    1. 互いに(実質的な意味で)婚姻の意思を有していること
    2. 法律婚の夫婦と同等の共同生活を営んでいること
    3. 社会的に夫婦と認められていること

内縁関係にある元夫婦の間では、以下の法律効果が発生します。

    • 同居義務、扶養義務(民法752条)
    • 貞操義務(民法770条1項1号)
    • 婚姻費用分担義務(民法760条)
    • 日常家事債務の連帯責任(民法761条)
    • 内縁解消時の財産分与請求権(民法762条)

上記の法律効果の点では、内縁は婚姻と同等に取り扱われることを知っておきましょう。

離婚後も元配偶者と同居し続けるメリット

離婚後も元配偶者と同居し続けることには、主に経済的な観点、および子どもの育児の観点からメリットがあると考えられます。

経済的な観点からは、別々に住むよりも家賃を安く抑えられる、相手の経済力を当てにできるといったメリットがあります。

特に、ご自身の収入が少ない方にとっては、元配偶者との同居を続けることの恩恵は大きいでしょう。ただし、相手に対する過度な経済的依存状態に陥らないようにご注意ください。

子どもの育児の観点からは、離婚後も家族全員が同居する形を維持することで、子どもの感情面への影響を最小限に抑えられるメリットがあります。また、父母双方が子どもと共に生活し、成長を見守ることができる点もメリットといえるでしょう。

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離婚後も同居する場合に知っておくべきこと

離婚後も元配偶者と同居し続ける場合は、お金に関する制度や法律、他の異性との交際に関する取扱いなどを正しく理解しておく必要があります。

離婚後の同居に関して、よくある質問への回答をまとめました。

離婚後も同居する元配偶者に対して、生活費・養育費は請求できる?

婚姻している夫婦には婚姻費用分担義務がありますが(民法760条)、離婚すればそれがなくなります。したがって、離婚後の夫婦の間では、相手の生活費を支払う必要はないのが原則です。

ただし離婚後であっても、内縁関係が認められる場合には、婚姻中の夫婦と同様に婚姻費用分担義務が発生します。この場合は元配偶者との間で、資力に応じて婚姻費用を分担する義務があるのでご注意ください。

これに対して、養育費の支払いは親子間の扶養義務(民法877条1項)に基づくため、離婚後であっても、父母のそれぞれが養育費を支払う義務を負います。同居している元夫婦の間では、生活していく中で養育費の分担を話し合って決めることになるでしょう。

元配偶者と同居しながら、児童扶養手当は受給できる?世帯分離とは?

前年所得が一定水準以下のひとり親世帯等において、子どもが18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある場合は(障害児の場合は20歳未満)、児童扶養手当(母子手当)を受給できます。

<児童扶養手当の支給額(2022年4月~)>

  1人目 2人目 3人目以降
(1人当たり)
全部支給
(所得160万円以下)
4万3,070円 1万170円 6,100円
一部支給
(所得365万円以下)
4万3,060円
~1万160円
1万160円
~5,090円
6,090円
~3,050円

参考:
児童扶養手当について|厚生労働省

ただし、子どもを監護する親が事実婚をしている場合は、児童扶養手当は支給されません。子どもは事実婚の相手から扶養を受けることができるので、児童扶養手当を支給する必要性がないからです。

離婚した元夫婦が同居している場合も、バレた際に、事実婚(=内縁関係)と判断されれば、児童扶養手当の支給対象外となる点に注意が必要です。

なお、同じ場所に住みながら、住民票上の世帯を分ける手続きを「世帯分離」といいます。

同居する元配偶者との間で世帯分離をすることは可能ですが、その場合でも内縁関係があるかどうかは客観的に判断されます。つまり、形式上世帯分離を行ったとしても、バレた際に実質的に内縁関係があると判断されれば、児童扶養手当は不支給となる点にご注意ください。

元配偶者と同居している場合、年末調整で配偶者控除・扶養控除は受けられる?

年末調整(または確定申告)の段階では、配偶者控除や扶養控除の適用を受けることで、課税所得を減少させて所得税・住民税の金額を減らせる場合があります。

ただし、離婚した元配偶者については、年末調整(または確定申告)における配偶者控除の適用は受けられません。配偶者控除の対象は、納税者と生計を一にする配偶者に限られており、内縁関係にある人は対象外とされているためです。

これに対して、同居している子どもについては、生計を一にしていれば引き続き扶養控除を受けることができます。

なお、ひとり親世帯については「ひとり親控除」を受けられる場合がありますが、事実婚状態(=内縁関係)にある人がいる場合は対象外となる点にご注意ください。

参考:
No.1191 配偶者控除|国税庁

参考:
No.1180 扶養控除|国税庁

参考:
No.1171 ひとり親控除|国税庁

元配偶者と同居している状態で、他の人と付き合うと浮気・不貞行為?

男女が交際中であっても、婚姻していない場合は原則として、他の異性と付き合っても不法行為(民法709条)には該当しません。つまり浮気や不貞行為にはなりません。

ただし、男女が内縁関係にある場合には、婚姻関係にある場合に準じて、他の異性との交際が不法行為に該当する可能性があります。元配偶者と同居している状態が、内縁関係と評価される場合も同様です。

他の異性との交際が不法行為に該当する場合は、内縁の相手方に対して慰謝料などの損害賠償を支払う責任を負います。

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まとめ

離婚後も元配偶者と同居し続けることは、おかしいことではなく、家族の多様な形として認められるべきでしょう。法律上も特に問題はなく、経済的な観点や子どもの養育の観点からはメリットがあります。

また、内縁関係にない限り、浮気や不貞行為と判断されることもありません。

その一方で、一部の法律・税制上のルールについては、婚姻中と離婚後では取扱いに変化が生じる点に注意が必要です。離婚後の同居生活を円滑に進めるためには、適用される法律や制度の内容を正しく理解し、活用することが求められます。

配偶者と離婚後も同居し続けたいものの、注意すべきポイントがわからず不安な方は、一度弁護士までご相談ください。

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