面会交流とは|頻度や時間平均は?多すぎると父親が拒否し続ける事は良いの?

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離婚後、夫婦のいずれかが親権者となりますが、親権者でない方の親は、原則として子どもとの面会交流を定期的にすることができます。

しかし、全ての元夫婦がスムーズに面会交流を実現できる訳ではありません。

「頻度多く、父親(元夫)に会わせたくない」「会いたいのに会わせてくれない」「多すぎるし子どもが嫌がっている」など様々なトラブルが生じることもあります。

また「離婚後の子供本人の意志はどうなる?」「いつまで何歳まで義務付けられているのか?」等様々な疑問があると思います。

本記事では、離婚後の面会交流を実施するにあたって押さえておくべき基礎知識、子供の意思を重視するのは何歳からか年齢はいくつか、頻度は月1回は少ないか、平均で週1月4回は多すぎるか、週2回か、面会交流しない方がいい場合あるのか、父親(元夫)が拒否する場合、養育費との関係、面会交流を拒否し続ける正当な理由など、幅広く解説しました。

離婚後の面会交流とは

離婚後の面会交流とは、父親母親が離婚または別居している場合に、子どもと離れて暮らしている方の親が子どもと定期的に交流することです。

また面会交流というと、“親権を持たない親が子どもに会う権利”というイメージを持たれがちですが、実は子ども自身の福祉のための制度でもあります。

離婚後の面会交流について定めている民法第766条1項では、「この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない」としています。

たとえ離婚によって親権を失っても、子どもの父親(母親)であることには変わりがありません。離れて暮らす親と定期的に交流して愛情や絆を実感することで、子どもは安心感と自信を得ることができ、心の健全な成長にも繋がると考えられています。

両親の離婚は、子どもにとっても非常に辛い経験です。面会交流を適切に実施しし続けることは、子どもが明るく前向きに人生を歩んでいくためにも非常に重要な意義を持つことを忘れないようにしましょう。

面会交流の時間と頻度・回数の平均は?

多くの方が、離婚後の面会交流の時間と頻度と回数の平均について気になってますがどうなのでしょう。多すぎるのは良くないのでしょうか。

面会交流で月1回は少ない?週2回面会は多すぎか?

基本的には、父親母親間の話し合いによって面会交流の条件を決定しますので、頻度も時間も場所もケース・バイ・ケースです。そのため、平均より少ないとか多すぎとか過剰だとかといった評価は当てはまりません。

確かに、離婚直後からの週2回面会は頻繁すぎる多すぎる印象がありますが、不可能というわけではありません。

しかし、標準的な頻度としては「月1回のペースで、一回につき2~3時間程度」とされています。毎週週2回以上の頻度で会う機会を持つご家族は少数派と言えるでしょう。

子どもの成長に伴い、週1月4回程度の面会も多すぎるわけではない

しかし、物理的な距離や子どもの年齢などの事情によっては、上記と異なる取り決めがなされることもあります。

たとえば、子どもがある程度「成長」しており、非親権者との親子関係が非常に良好であれば、本人の意思を尊重して泊りがけでの面会交流をするケースもあります。頻度として月3回、週1で月4回会う機会を持つご家族もいて、これで多すぎるという評価はあたりません。

反対に、子どもがまだ手のかかる「乳幼児」である場合には、親権者の希望で面会交流を短時間にしたりしています。

離婚後の面会交流の取り決め方法

離婚後の面会交流の頻度や時間などの父親母親同士の取り決め方法はどうするのでしょうか、以下解説します。

決めること|父親母親同士の話し合い

まず、面会交流の条件を取り決めるためには、父母同士での話し合いから始めます。
話し合うべき項目、決めることは、主に下記のとおりです。

  • 面会交流を行うか否か
  • 面会交流の方法・頻度・日時・場所
  • 元夫婦間の連絡方法

父親母親同士で冷静に話し合うことが難しい場合は、管轄の家庭裁判所に面会交流の調停・審判を申立てることになります 。

面会交流調停を申し立てる・申し立てられる|まとまらない場合

面会交流の調停・審判とは

話がまとまらない場合は、面会交流の調停を申し立てるか、もしくは申し立てられます。

面会交流の調停・審判の申立て先は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。

調停は、調停委員2名と裁判官1名で構成される調停委員会が夫婦の間に入り、話し合いをサポートする手続きです。これはあくまでも話し合いですので、合意に至らなければ審判に移行することになります。

また、調停が不成立だった場合には、次に審判に移行して、裁判官の判断を仰ぎます。審判には法的効力があるので、父母は審判結果に従う法律上の義務を負うことになります。

なお、面会交流の条件ついて一度取り決めをしても、その後父母や子どもの置かれている環境に変化があれば、それに応じて変更することが可能です。また、離婚した相手との面会交流の調整を行いたくない場合には、双方の親族が調整することもできます

面会交流調停の流れ・内容・弁護士費用について徹底解説
夫婦が離婚をした場合、どちらか一方が親権者として引き続き子どもを育てる一方、親権者でない側は子どもと一緒に暮らすことができなくなります。 しかし子どもにとっては、両方の親と交流を保つことが、精神的な成長を助けるものと考えられています。...

調停・審判では子供の意思が重要

面会交流の調停・審判においては、夫婦の話し合いだけでなく、子どもの意思も非常に重要です。

前述の通り、面会交流を行うことは子ども自身の権利でもあるからです。

そのため、家庭裁判所に子どもを連れてきて「調査官調査」や「試行的面会交流」を行い、子ども自身の気持ちを適正に把握するようにしています。

「調査官調査」は、家庭裁判所に所属する家庭裁判所調査官と呼ばれる専門家が、子どもと面接する手続き。子どもに様々な質問をしながらざっくばらんに会話をすることで、両親への本音を引き出します。

「試行的面接交流」は、家庭裁判所内の専用のスペース内で、親子の交流状況を家庭裁判所調査官が観察するというもの。親子のコミュニケーションの様子を実際に目で確認することで、面会交流の可否についての判断材料にしています

面会交流しない元夫!拒否し続ける!養育費と相殺するの?

面会交流しない元夫がいる場合どうすればよいでしょう。拒否し続ける場合や、また養育費と相殺を考える夫について解説します。

面会交流しない方がいいといって拒否し続けるケース

元夫婦間で強い確執がある場合には、親権者が面会交流を正当な理由なく面会交流しない方がいいといって、嫌がって拒むこともあります。

暴力など、子どもに悪影響を及ぼす理由があるならまだしも、元夫婦間の仲が険悪なだけでは面会交流を拒んでいい理由にはなりません。

養育費と面会交流

また、養育費の「未払い」を理由に面接交流を拒否する親権者もいますが、これも基本認められません。

なぜなら、養育費の支払いと面会交流は法的に別個の問題とされているためです。

子どもには両親と交流する権利があり、これは養育費の支払い状況とは独立した子どもの基本的な権利として考えられています。

養育費の未払いは確かに深刻な問題ですが、それを理由に子どもと親の交流を妨げることは、子どもの利益を損なう可能性があります。

間接強制(強制執行)

このような場合、家庭裁判所で「間接強制(強制執行のひとつ)」するという手段もあります。

「間接強制」とは、命令に従わない人に制裁金を科すことによって面接交流を間接的に促す手続きのことです。

ただし、「間接強制」を行うためには、事前に面接交流についての「合意」をしておく必要がありますので注意してください。

間接強制を行っても面会交流が実現されない場合は弁護士に相談しましょう。

面会交流と子供の意思と年齢について

子供の意思の重視は何歳から?10歳?小学生?

これまでは父母間の話し合いを中心に説明してきましたが、子どもの年齢によっては本人の意思が尊重されることもあります

子どもの発育にも個人差がありますが、一般的に「10歳」前後の小学生・中学生からは子どもの意思をなるべく尊重しつつ、その他の事情も踏まえて総合的に面接交流の条件が判断されます。

中学生以上・15歳以上は最優先される

年齢が15歳以上になると、子どもの自我が確立され、判断力も有していると考えられます。そのため、「嫌がる場合」や「会いたくないという場合」、基本的に子どもの意思が最優先される傾向があります。

小学生、0歳・1歳の幼児の場合

一方で、年齢が0歳、1歳など10歳未満の幼児の場合は、養育している親権者の影響を精神的にも大きく受けていると考えられます。

そのため子ども自身の意思はあまり重視されず、子どもの様子や父母の状況などから客観的に判断することになります。

面会交流を拒否できる正当な理由とは

前述の通り、正当な理由なく面会交流を拒否することはできませんが、子どもの福祉に悪影響を及ぼすと判断された場合には、例外的に制限されることもあります

面会交流を制限・拒否するためには、親権者が管轄の家庭裁判所に調停・審判を申立てます。

具体的には、以下のようなケースが正当な理由として考えられます。

  • 離婚前に子どもが暴力を振るわれていた
  • 離婚原因が夫婦間のDVだった
  • 非親権者が精神的に著しく不安定であり、子どもが危険な目に遭うおそれがある
  • 面会交流が親権者に大きな精神的負担を与え、それが子供の福祉を害するおそれがある
  • 面接交流仲の子どもを連れ去ろうとした
  • 面接交流中に親権者の悪口を子どもに聞かせた
  • 親権者が再婚し、子供がその新しい親を慕っている

上記のような状況でも面接交流を行うと、子どもが精神的安定を保つことが難しくなり、健全な成長が阻害されるかもしれません。

2017年には、面会交流中の父親が幼い子どもを殺害して無理心中するという、痛ましい事件も起こりました。

このような最悪の事態を防ぐためにも、正当な理由があるならば、面会交流は親子の精神状態を慎重に見極めて、適宜柔軟に調整、拒否していく必要があります。

まとめ

今回は、子供の意思を重視するのは何歳からか年齢はいくつか、頻度は月1回は少ないか、週1月4回は多すぎるか、週2回か、面会交流しない方がいい場合あるのか、父親(元夫)が拒否し続ける場合、養育費との関係、面会交流を拒否できる正当な理由など、幅広く解説しました。

面会交流権は、非親権者の権利であると同時に、子ども自身の権利でもあります。

したがって正当な理由なく拒否・制限することはできません。不貞行為が原因で離婚した、元夫婦の仲が険悪、養育費を支払ってくれないなどの場合は、面会交流を拒否する正当な理由にならないと考えられています。

一方で、非親権者のDV・薬物依存・精神不安定などが原因で離婚した場合には、家庭裁判所に調停・審判を申立てることによって、面会交流を拒否・制限できることもあります。

面会交流について不安なことやわからないことがあれば、弁護士にお問い合わせください。

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