夫婦円満調停とは|意味があるか、しないほうがいいかを解説

法律相談

夫婦関係がぎくしゃくしている場合には、家庭裁判所の「夫婦円満調停」を申し立てることも一つの選択肢です。

夫婦円満調停で円滑に話し合いがまとまれば、夫婦関係の修復に繋がる可能性があります。

ただし、修復困難なのに話し合いを続けても時間だけが過ぎてしまうので、難しそうであれば早めに離婚調停へ移行しましょう。

今回は夫婦円満調停について、効果の有無、円満調停はしないほうがいいか、意味ないのか、メリット・デメリット、聞かれること、手続きの流れを解説します。

夫婦円満調停とは

夫婦円満調停とは、家庭裁判所で開かれる「夫婦関係調整調停(円満)」の別称です。

参考:夫婦関係調整調停(円満)|裁判所

夫婦円満調停=夫婦関係を修復するための調停

夫婦円満調停は、円満な夫婦関係を回復することを目的とした調停です。もう一つの「夫婦関係調整調停」である離婚調停とは、その目的が異なります。

夫婦のトラブルについては、基本的には夫婦同士の間で話し合って解決することが望ましいです。しかし、感情的な言い争いになってしまい、話し合いがまとまらないケースも少なくありません。この場合、家庭裁判所の調停手続きを利用することが解決策になり得ます。

トラブルにはなっているものの、夫婦関係を修復してやり直したいと考えている場合は、離婚調停ではなく夫婦円満調停を申し立てることになります。夫婦円満調停では、調停委員が間に入って夫婦の話し合いを取り持ち、関係改善をサポートしてくれます。

夫婦円満調停の期日は、1か月に1回程度開催されるのが一般的です。調停期日においては、調停室へ夫婦が別々に入室し、調停委員と面談を行いながら合意を目指します。

夫婦円満調停でよく聞かれること・質問

夫婦円満調停では、夫婦関係を改善するための具体策を検討するため、調停委員から以下のような聞かれること、質問が行われるケースが多いです。

    • 夫婦関係が円満でなくなってしまった理由
    • 相手に対して抱いている不満の内容、改善してほしいポイント
    • 今後の夫婦関係について希望すること
    • 自分自身が相手にしてあげられること、家庭に対して貢献できること
    • 子どもの養育状況

など

調停期日に臨む際には、調停委員の質問に対してスムーズに回答できるように、上記のようなよくある質問について回答を準備しておくとよいでしょう。

夫婦円満調停は効果的?意味ない? メリット・デメリット

夫婦円満調停の申立てに効果があるかどうかは、夫婦の状況によって異なるため一概には言えません。メリットもデメリットもあります。話し合いが空転するようであれば、打ち切って早めに離婚調停へ移行することも検討しましょう。

夫婦円満調停のメリット・効果

夫婦円満調停を申し立てると、家庭裁判所から相手に対して期日呼出状が送付されます。夫婦の直接の話し合いが難しい状況にある場合でも、ひとまず話し合いの場をセッティングすることが可能です。

また、夫婦円満調停では、公正・中立な立場にある調停委員が話し合いを仲介するため、夫婦が直接話し合う場合よりも冷静に議論しやすくなることが多いです。夫婦の話し合いが感情的にヒートアップしてしまった場合は、ほとぼりを冷ます意味でも、夫婦円満調停を活用することが有力な選択肢となるでしょう。

夫婦円満調停のデメリット|しないほうがいい? 意味ない?

ネット上では円満調停はしないほうがいい、意味がないと言われる場合があります。これはなぜなのでしょうか。

デメリットの1つとして、夫婦円満調停を申し立てても、相手方が出席自体を拒否して来ないケースがよくあります。

法律上は調停期日への出頭が義務付けられていますが(家事事件手続法258条1項、51条2項)、実際には欠席についてペナルティが課されることはまずありません。

そのため、相手が出席自体を拒否している場合には、夫婦円満調停を申し立てても時間の無駄になってしまいます。

また、相手に黙って夫婦円満調停を申し立てると、家庭裁判所から期日呼出状が送付された際に相手の感情が刺激され、夫婦関係がさらに悪化してしまうことも懸念されます。

離婚調停は夫婦いずれかのみの判断で申し立てるケースもよくありますが、夫婦円満調停を申し立てることについては、事前に夫婦で合意しておくのが望ましいでしょう。

なお離婚調停とは異なり、夫婦円満調停における合意内容の多くは「心構え」のレベルにとどまり、法的拘束力を有しません。そのため、夫婦関係を改善できるかどうかは、結局夫婦それぞれの心がけ次第という側面があります。

よって、夫婦円満調停による解決にこだわることなく、夫婦間での話し合いに戻る、離婚調停へ移行するなどの選択肢についても、常に柔軟な姿勢で検討すべきでしょう。

こういった理由で円満調停はしないほうがいい、意味がないと言われがちなのです。

夫婦円満調停の手続きの流れ

夫婦円満調停の手続きは、以下の流れで進行します。手続きへの対応について戸惑う部分がある場合は、弁護士にご相談ください。

家庭裁判所に対する調停申立て

夫婦円満調停の申し立ては、相手の住所地の家庭裁判所に対して行うのが原則です。ただし、夫婦の合意があれば別の家庭裁判所に申し立てることもできます。

夫婦円満調停申立ての費用と必要書類は、以下のとおりです。

<費用>

  • 収入印紙1,200円分
  • 連絡用の郵便切手1,000円分前後

<必要書類>

  • 申立書(原本+写し1通)
  • 夫婦の戸籍全部事項証明書
  • 話し合いの内容に関連する書類

調停期日の連絡(期日呼出状の送付)

申立書の補正等を経た後、家庭裁判所が両当事者に対して期日呼出状を送付します。各当事者は、やむを得ない事由がない限り、調停期日に出頭しなければなりません。

家庭裁判所が指定した調停期日について、都合が悪く出席が難しい場合には、その旨を家庭裁判所に連絡しましょう。期日の再調整を行ってくれることがあります。

調停期日

調停期日では、調停委員が夫婦それぞれに対して個別に面談を行い、夫婦関係改善の方策を探ります。

夫婦が個々に抱いている要望は、調停委員を介して相手に伝えられます。相手に言わないでほしいことがある場合は、調停委員にその旨を伝えれば秘密にしてもらえます。

調停委員は、夫婦の話を聞きながら合理的な解決策を提案して、それぞれの意見を反映しながら調整を重ねます。

調停成立の見込みがあるうちは、何度も調停期日が開催されます。調停期日の開催頻度は1か月に1回程度、1回当たりの開催時間は2時間程度が一般的です。

調停成立or不成立

ある程度話し合いが熟した段階で、裁判官が調停案を作成し、夫婦双方に対して提示します。

夫婦が2人とも調停案に同意すれば、調停成立です。この場合は、裁判所書記官によって調停調書が調停調書を作成します。

一方、調停案についての同意が得られず、今後も調停成立の見込みがない場合には、不成立として夫婦円満調停が終了します。不成立となった場合は、夫婦間での話し合いに戻るか、離婚調停へ移行することになります。

まとめ

今回は夫婦円満調停のメリット、しないほうがいいか、意味があるのか、相手に拒否されるか、また調停で聞かれることなどを解説してきました。

関係改善について冷静な話し合いが難しくなった夫婦にとって、状況を打開できる可能性がある手続きです。

ただし、夫婦円満調停における合意内容の多くは法的拘束力がないので、関係改善の可否は夫婦の心がけに委ねられる部分が大きいといえます。そのため、夫婦間での合意が得られる見込みがない場合には、早い段階で離婚調停へ移行することも検討しましょう。

弁護士は夫婦円満調停や離婚調停について、準備・申立て・当日対応などを全面的にサポートいたします。配偶者との関係が悪化してしまった方は、弁護士へご相談ください。

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