面会交流調停の流れ・内容・弁護士費用について徹底解説

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夫婦が離婚をした場合、どちらか一方が親権者として引き続き子どもを育てる一方、親権者でない側は子どもと一緒に暮らすことができなくなります。

しかし子どもにとっては、両方の親と交流を保つことが、精神的な成長を助けるものと考えられています。また、親権者ではない側としても、愛する子どもに会いたい気持ちが募ることでしょう。

そこで、離婚後に親権者ではない親が子どもと遊んだりして交流を持つ「面会交流」が行われます。

面会交流の頻度などについては、離婚の際や離婚後に(元)夫婦の間で話し合って決めることになりますが、時には話し合いがまとまらない場合もあります。

また、一度取り決めた面会交流の内容について、後から変更したいという場合もあるかもしれません。

そのような場合には、家庭裁判所に「面会交流調停」を申し立てることができます。

この記事では、面会交流調停の流れ・内容・弁護士費用などについて、専門的な視点から解説します。

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面会交流調停とは?

面会交流調停とは、離婚した元夫婦が、面会交流に関する話し合いを、家庭裁判所における調停の場で行うことをいいます。

面会交流調停は、元夫婦のどちらからでも申し立てることができます。

典型的には、当事者同士では面会交流に関する話し合いをまとめることができない場合に、裁判官や調停委員に専門的・客観的な立場から話し合いを仲介してもらうために申し立てることが多いです。

また、すでに合意した面会交流の頻度や時間帯などについて、その後の事情の変化によって変更したいという場合にも、面会交流調停が利用されるケースがあります。

面会交流調停では2名の調停委員が元夫婦の間に入り、それぞれの話を個別に聞きながら、話し合いがまとまるようにそれぞれの希望を調整していくことになります。

最終的には裁判官によって調停案が示され、調停案に元夫婦の双方が合意すれば、調停は成立となります。

調停案においては、面会交流の頻度や時間帯などが定められることになりますが、その内容は子どもの利益を最も優先して考慮し、決定すべきとされています(民法766条1項)。

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面会交流調停の流れは?

実際の面会交流調停がどのような流れで進行するかについて見ていきましょう。

1回目の調停の流れ・ポイント

元夫婦のどちらかが面会交流調停を申し立てると、家庭裁判所から第1回調停期日の呼び出し状が送付されます。

指定された期日に元夫婦双方が家庭裁判所へ出頭すると、その場で第1回の調停が開催されます。

調停は平日に開催され、時間は通常であれば2~3時間程度です。

調停の場では、相手方と顔を合わせることはなく、調停委員からそれぞれの当事者が交互に呼び出されて話をすることになります。

調停委員は、元夫婦それぞれから話を聞きつつ、それぞれの意見や希望を必要に応じて相手方に伝達するなどして、話し合いがまとまるように調整を行います。

調停が1回で成立しない場合には、次回の調停期日が指定されることになります。

通常であれば、1か月に1回程度の頻度で調整期日が設定されることが多いです。

2回目以降の調停の流れ・ポイント

2回目以降の調停期日でも、調停の目的や流れなどは基本的に1回目と同じです。

2回目以降の調停では、まず前回期日においてどの部分で意見が一致したか、対立点として残っている事項は何かなど、到達点の確認が行われます。

さらに、前回期日以降に事情が変化したり、当事者の希望が変わったりしていないかについても確認されます。

このように、前提となる事項の確認を終えた後は、第1回の調停と同様に、調停委員による話し合いの仲介が行われます。

なお、面会交流調停においては、どのように面会交流を設定するのが望ましいかを具体的な事情に即して判断するため、家庭裁判所調査官が早い段階から同席することが多いです。

家庭裁判所調査官は、調停期日の外で、元夫婦双方に対して家庭環境についての面談などの調査を行い、調査報告書を作成します。

調査報告書は、最終的に裁判官が調停案を作成する際の重要な参考資料となります。

家庭裁判所調査官による調査が調停期日の前に行われた場合には、その調査結果の報告が行われます。

2回目以降の調停では、成立・不成立・取り下げのいずれかによって調停が終了する場合でない限り、引き続き次回の調停期日が指定され、以降は調停が終了するまで同じ流れを繰り返すことになります。

調停の終了|不成立の場合は審判に移行

面会交流調停が終了するパターンには、成立・不成立・取り下げの3つがあります。

①調停の成立

裁判官が提示する調停案に元夫婦双方が同意した場合には、調停は成立します。

調停が成立した場合、元夫婦双方は、調停案の内容に従った面会交流を行う義務を負います。

②調停の不成立・審判への移行

一方、調停が成立する見込みがなくなったと判断される場合には、調停は不成立により終了します。

しかし、調停が不成立となった状態のまま手続きを終わりにしてしまうと、当事者は何の解決も得られません。

そこで、家庭裁判所が相当と認めるときは、家庭裁判所の職権により、事件の解決のために必要な審判をすることができます(家事事件手続法284条1項)。

審判の内容について当事者が異議を申し立てない場合には、審判の内容に従った面会交流を行う義務が当事者双方に発生します。

③調停申立ての取り下げ

面会交流調停を申し立てた側が、調停の申立てを取り下げた場合には、面会交流調停はその時点で終了します。

この場合、元夫婦は調停外での話し合いを続けることになります。

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面会交流調停では何を聞かれる?|調査官による調査の内容も解説

面会交流調停では、調停委員が元夫婦それぞれに対して質問を行いますので、調停委員から聞かれそうなことについては、事前にある程度回答を準備しておくのが良いでしょう。

また、家庭裁判所調査官による調査も、調停案の作成にあたり重要な資料として考慮されます。

調査の際に外面を取り繕う必要はないですが、調査官に対して悪い印象を与えないように、調査の内容を理解したうえで心構えをしておくことをおすすめします。

以下では、面会交流調停で調停委員から説明を求められる事項の例と、家庭裁判所調査官による調査の内容を解説します。

調停委員に説明を求められる内容の具体例

調停委員は、適切な面会交流のやり方を探るために、各家庭の状況や子どもの意向などについて、各当事者に説明を求めます。

具体的には、以下のような事項が質問されることが多いです。

<調停委員による質問事項の具体例>

  • 現在の生活状況(子どもの監護状況を含む)
  • 子どもの成長の様子
  • 従前の面会交流の実績
  • 同居当時の親子関係
  • 離婚の経緯や離婚が子どもに与えた影響
  • 面会交流についての子どもの希望
  • 希望する面会交流の方法
  • 面会交流の障害となる事項

特に、面会交流の方法を定める際には、子どもの利益をもっとも優先して考慮すべきとされているため(民法766条1項)、子どもの状況や希望については重点的に質問されるでしょう。

家庭裁判所調査官による調査の内容

家庭裁判所調査官による調査は、単に当事者に対して質問をしただけではわからない生活の実態を把握することを目的として行われます。

調査の方法はケースバイケースですが、面談による調査と、実際に子どもと遊んでいる場面を観察する調査の、大きく分けて2つの方法が用いられます。

特に観察調査について、子どもを監護している親であれば、自宅へ家庭裁判所調査官が訪問をして、子どもと一緒に生活をしている様子を観察する方法が取られるのが通常です。

一方、子どもを監護していない親については、「試行的面会交流」という方法が取られることがあります。

試行的面会交流とは、家庭裁判所内の専用のプレイルームを使用して、非監護親と子どもが実際に面会交流を行う様子を調査官が観察することをいいます。

試行的面会交流の場合、普段遊び慣れている場所ではないところで面会交流をすることになるため、子どもをリラックスさせるための方法を複数考えて臨んだ方が良いでしょう。

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面会交流調停を欠席したらどうなるの?

相手方から面会交流調停を申し立てられた場合、裁判所から調停期日の呼び出し状が送られてきます。

では、面会交流調停の期日を欠席した場合には、どのような事態が発生するのでしょうか。

欠席を続けると調停は不成立となる

面会交流調停を欠席し続けるということは、面会交流に関する話し合いに応じる意思がないということを意味するので、調停が成立する見込みはないといえます。

そのため、当事者の一方が面会交流調停を欠席し続けた場合には、調停は不成立で終了するのが通常です。

審判で相手の言い分が認められてしまう可能性も

調停が不成立となる場合、家庭裁判所は職権で、審判により面会交流の方法を定めることができます。

面会交流調停を元夫婦の一方が欠席し続けている場合、家庭裁判所にとっては、出席当事者の側から提供される情報しか判断材料がありません。

結果として、欠席当事者の言い分が全く反映されず、出席当事者に有利な審判が下されてしまう可能性があります。

このように、面会交流調停の欠席は、審判において不利に働く可能性があるため、おすすめできません。

面会交流調停は、当事者本人が出席の下で進められるのが原則ですが、どうしても出席したくない場合には、代理人である弁護士に代わりに出席してもらうことが可能です。

調停期日にどうしても行きたくない場合には、弁護士への依頼を検討すると良いでしょう。

正当な理由のない欠席は過料の制裁も(ただし実例は乏しい)

なお法律上は、面会交流調停の期日に正当な理由なく出頭しない場合には、5万円以下の過料に処すものとされています(家事事件手続法51条3項)。

しかし、実際に過料が科された事案はほとんどありません。

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面会交流調停は弁護士に依頼しなくても平気?依頼する場合の費用は?

面会交流調停は家庭裁判所で行われるため、専門的な手続きであることは間違いありません。

そのため、弁護士に依頼した方が安心に思えますが、弁護士に依頼せずに自分だけで手続きを進めることはできるのでしょうか。

面会交流調停は弁護士に依頼しなくてもOK

面会交流調停はあくまでも話し合いの場なので、弁護士に依頼をせずに進めることも可能です

調停期日では、調停委員が質問のやり方を工夫するなどして、手続きが円滑に進むようにサポートしてくれます。

調停委員に対して丁寧に自分の状況を説明することができれば、調停委員を味方につけて有利に調停を進めることもできるでしょう。

弁護士に依頼するメリットは?

一方、弁護士に面会交流調停を依頼するメリットとしては、やはり法律のプロのアドバイスを受けられる安心感が大きいでしょう。

面会交流調停は家庭裁判所で行われる専門的な手続きであり、かつ時間もかかるので、手続きの見通しや準備についてのアドバイスを受けられることは大きなメリットです。

また、弁護士は書類の作成を代行してくれますし、どうしても調停に出席したくない場合には代わりに出席してくれます。

こうしたメリットと弁護士費用を天秤にかけて、弁護士に依頼するメリットの方が大きいかどうかを判断すると良いでしょう。

弁護士費用の相場はどのくらい?

面会交流調停の弁護士費用は、着手金・報酬金を合わせて30万円から40万円程度に収まる場合が多いようです。

弁護士費用については、統一的な基準はなく、各弁護士によって異なるため、実際に依頼を検討する際には見積もりを取得することをおすすめします。

上記の着手金・報酬金に加えて、相談料・期日出席の日当・交通費などが発生します。

相談料については、無料法律相談を適宜活用することによって節約できる場合もあるので、詳しくは弁護士事務所に問い合わせてみましょう

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まとめ

面会交流調停は、家庭裁判所で行われる手続きということもあり、身構えてしまうのも無理はありません。

ご自身で対応することも可能ですが、弁護士に依頼した方がより安心感を持って手続きを進めることができるでしょう。

面会交流調停を相手から申し立てられた、または自分で申し立てたいという方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

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