法テラスとは|離婚相談の費用、利用条件、流れなどを解説

法律相談

法テラスで離婚相談はできる?

離婚や離婚条件に関する相談を弁護士に相談したいけれど、費用面で不安があるという方がいらっしゃるかと思います。そんなときは法テラスの利用を考えてみましょう。一般の法律相談よりもコストを抑えることができます。
今回は、法テラスの離婚相談について解説します。法テラスの概要から利用のメリットデメリット、役に立つのか立たないのか、法テラスに相談するときの手続きの流れまで分かりやすくご説明します。

役に立つ?離婚で法テラスを利用するメリット

まずは、法テラスがどのような機関であるのか、また利用の具体的なメリットについてみていきましょう。

法テラスとは

法テラス(日本司法支援センター)とは、総合法律支援法に基づき国によって設立された法的支援サービスを提供する機関のことです。

弁護士という法律の専門家を国民にとって身近な存在にし、誰でもいつでもどこでも法的サービスを受けられるようにすることが法テラスの目的です。

法テラスでは、民事事件、刑事事件を問わず、法律相談ができるだけでなく法律家に相談する際の費用の援助も行っています。一定の制限はあるものの、ご自身では弁護士に相談することが費用的に難しいという方にとっては、大変意味のある制度です。

法律相談以外にも、法制度等に関する情報提供や犯罪被害者支援、国選弁護、弁護士が少ない地域に法テラスの設置を行う司法過疎対策の業務等も行っています。

設立以来、電話によるサポートダイヤルだけでも448万件、無料法律相談は351万件、費用の建て替えが146万件(*令和2年3月末現在)、と多くの人のサポートを行なっている団体です。

法テラスを利用するメリット

法テラスを利用することには、以下のようなメリットがあります。

・身近に法律家がいないときでもアクセスしやすい
・相談、依頼コストを抑えられる

知り合いの弁護士や司法書士などがいれば、離婚に関する相談をして、法的サポートを受けることのハードルもそれほど高くないかもしれません。しかし、誰に相談すれば良いのかわからない、法的トラブルを抱えているがどう対応すれば良いかわからないという場合は、専門家に相談するのが難しいケースも多いでしょう。そんなとき、法テラスに相談すればすぐに法律の専門家にアクセスできるのがメリットです。

またコスト面で抑えられるのもポイントです。弁護士に依頼すると、依頼した時点で一定の費用の支払いが求められます。

その際に、数十万円というまとまった金額が手元にない場合は、サポートを得られません。

これに対し法テラスでは、依頼の時点で着手金を一括払いする必要はなく、分割払いで5000円〜10000円程度を支払うのが一般的です。

また通常30分5000円程度かかる法律相談も3回まで無料で受けられます。一般の弁護士相談よりも負担を抑えることができる点は大きなメリットといえるでしょう。

3.本当に無料?法テラスを利用するデメリット・注意点

法テラスを利用することにはご説明したようなメリットがありますが、デメリットといえる点も存在します。そこで、デメリットと利用の際に知っておくべき注意点についてご説明します。

法テラスを利用するデメリット

法テラス利用のデメリットとしては以下が挙げられます。

・一定の収入制限がある
・弁護士を選べない
・時間がかかることがある
・審査の際に手続き負担がある

法テラスは法的サービスを受けることが難しい方のための支援制度です。そのため、一定の収入以上の方はサービスを受けられない場合があります。無料の法律相談や費用の建て替えについては、後述する収入と資産の条件を満たさないといけません。

また原則として弁護士は選ぶことができません。法テラスに紹介してもらった弁護士が選任されますが、弁護士と相性が悪い場合はミスマッチが起きます。法テラスに登録している弁護士は若手の弁護士が多いため、人によっては経験不足を感じる方もいらっしゃるでしょう。

離婚に関する相談をしても、依頼者の満足のいく結果が得られないこともあります。もっとも、法律事務所のホームページなどから検索し、法テラスに登録している弁護士に直接依頼し、法テラスを利用したい旨を説明すれば、結果的にご自身で選んでいただくことも可能です。

また、コストを低く抑えたい場合、立替払い等のサービスを受けるためには「収入条件の審査」があります。この審査には2週間程度かかることがあり、今すぐサービスを受けたいという際には利用が難しい場合もあります。もっとも、無料相談にて状況を見極め、審査を待たずに事件着手を始めてくれる弁護士もいますので、急いでいる場合にはその状況を詳しく説明することが大切です。

このとき、審査に必要な書類はご自身で準備する必要があります。お仕事や子育て等で余裕がない場合には、書類を準備することが負担となってしまうことがあるでしょう。

利用する際の注意点|費用が払えない場合・収入要件

先にご説明した通り、立替払いサービスなどを受ける場合には収入と資産の条件があります。具体的には、単身者の場合なら月収が182,000円(都市部では200,200円)以下であることが必要です。同一生計の家族が2人なら、251,000円(都市部では276,100円)以下となります。家族の人数によって収入条件は変わります。

資産条件としては、単身者で180万円以下、2人家族で250万円以下、3人家族で270万円以下、4人家族以上で300万円以下となります。これらの収入・資産に関する条件を満たさない場合には、サービス利用は難しいでしょう。

これら以外にも、勝訴の見込みがないとはいえないこと、民事法律扶助の趣旨に適すること、という条件がありますが、通常の離婚相談の場合ならこれらは満たすと考えて良いでしょう。

利用条件を満たすかどうか気になる方は、以下のurlから簡単にチェックできますので、ご自身で確認してみてください。

■法テラス 要件確認体験ページ

法テラスに相談するときの手続きの流れ

次に、法テラスに相談する際の手続き利用の流れについてご説明します。

複数の相談方法|電話・メール等

法テラスに相談する際、最初にどこに相談したら良いかわからないという方も多いでしょう。最初の相談方法としては、4つの方法があります。具体的には、以下の通りです。

  • 電話相談
  • メール相談
  • 窓口にて直接相談
  • インターネットで弁護士検索

一番簡単な方法としては、電話相談が挙げられます。法テラスサポートダイヤル(0570-078374)に電話して事情を説明すれば法制度や相談機関、団体について紹介、説明してもらえます。

DVなどの問題を抱えている場合の離婚の場合も、保護団体等の紹介も期待できるでしょう。電話相談の場合、通話料金はかかるものの利用料は無料ですので安心してご相談いただけます。平日9~21時・土曜9~17時で利用可能です。

メール相談もできます。専用フォーム(https://www.houterasu.or.jp/cgi-bin/formmail/formmail.cgi?d=toiawase)に沿って入力していけば、相談窓口や法律や制度の紹介を受けることができます。

また全国にある法テラスの地方事務所(https://www.houterasu.or.jp/chihoujimusho/index.html)に行って直接相談することも可能です。訪問の場合でも無料で相談をすることができます。

自分で離婚に強い弁護士を選びたい場合は インターネットで法律事務所を探す方法もあります。「お住まいの地域、離婚、弁護士」と検索して、いくつかの事務所のHPに法テラスのサービスを利用できるかの説明がある法律事務所、弁護士を選ぶと良いでしょう。

法テラスに直接依頼せずとも、1度目の無料相談の際に弁護士に直接「法テラスの制度を利用したい」旨をいえば、その後の手続きについて説明してもらえます。初回相談無料の弁護士を選べば、相談コストも抑えられます。

いくつかの相談方法がありますので、ご自身にあった方法で相談してみましょう。

相談の流れ

法テラスでは、以下の流れで手続きが進みます。

1.電話にて簡易相談
2.法律相談の予約を取る
3.無料の法律相談を受ける

まず、電話にて法テラスに悩み事について簡単に説明します。生活状況などの説明を求められることもあるでしょう。

収入条件を確認した上で法律相談を希望するかどうかの確認を受けます。希望したら、弁護士への相談日時について予約を取ることができます。

予約当日は、必要書類とともに指定された相談所に向かいます。30分ほどの無料相談を3回まで受けることができます(電話での相談も可能)。

予約の時点で、収入条件の簡単な確認がありますので、条件をクリアしていれば無料の法律相談だけでなく、弁護士費用の立替サービスも受けることができます。できるだけ早い段階で金銭的余裕がない旨を伝え、収入条件等をクリアできるかどうかを確認することが大切です。急いでいる状況や身の危険がある等緊急性がある場合は、その旨についても最初の電話で伝えましょう

費用負担に不安がある場合は、法テラスへご相談を

弁護士に離婚に関する相談がしたいものの、依頼費用を支払えない不安がある場合は法テラスに相談してみましょう。
無料で法律相談を受けられるだけでなく、依頼費用に関してもコストを抑えることができます。
ご自身で弁護士を選びたい場合には、インターネット等にて法テラス登録のある弁護士を探すことが重要です。

 

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