離婚の際の弁護士相談の仕方・流れ・準備すべきこと

法律相談

離婚問題について、パートナーとの話し合いがスムーズに進まないことが予想される場合や、すでに離婚条件で揉めに揉めて解決できない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こういったケースの場合は、家裁や役所の相談窓口やカウンセラーなどに相談するよりも、「弁護士」「法律事務所」に直接相談するのが一番です。

最近では、離婚したい方向けに、初回相談無料の弁護士や法律事務所も増えてきて、弁護士も身近な存在になってきています。

今回は、離婚の際の弁護士への相談の仕方について解説します。離婚を弁護士に相談する際に聞かれること、電話やメールでの予約、離婚を弁護士に相談する際の流れやポイントをご説明します。

離婚を弁護士に相談する際のポイント|事前準備や聞かれることは?

まずは、離婚問題を弁護士に相談するにあたって、相談の仕方、聞かれることや事前準備、ポイントなどについてここで理解しておきましょう。

1-1.【相談する前の心構え】解決したいことは何かを明確にする

弁護士に初めて相談する場合、初回相談は無料としている法律事務所は少なくありません。しかし、無料相談の時間は30分と限られた時間であることも多いため、聞きたいこと、解決したいことは事前に明確にしておく必要があります。

例えば、以下のような相談の仕方はNGです。

  • 離婚したいけれど迷っている。どうしたら良いですか?
  • 私の直感では配偶者には浮気相手がいます。慰謝料を請求できますか?

「離婚するかどうか」はご自身で判断することであり、弁護士は決めることができません。もし離婚に迷いがある場合は、離婚を決意するまで、弁護士への相談は待った方が良いでしょう。離婚準備で必要なことは、インターネットでも検索できるのでご自身で調べておくのも有効です。

また、「浮気相手がいるかもしれない」という曖昧な状態で法律相談に行くのはもったいないとも言えます。証拠を掴んでいる状態で、具体的な状況を伝えた上でいくら請求できるのか、と聞くべきです。

どちらの質問も同じことですが、弁護士としても実際の具体的な状況を把握できないと的確なアドバイスをするのは困難です。

したがって、相談する際は、以下のように主張を明確にしておきましょう。

  • 親権を勝ち取りたい
  • 財産分与でどうしても欲しい財産があるがどうしたら良いのか
  • 不倫の証拠があるが慰謝料はどれくらい請求できるのか
  • 離婚の条件として○○を考えているが、他に考えることはないか、損はないか

他にも、離婚で譲れない条件、譲れる可能性のある条件についてまとめておくと良いでしょう。

弁護士は法律に基づいてアドバイスをします。このアドバイスをするためには、具体的な状況、希望、背景にある事実を知る必要があるということを覚えておきましょう。

【準備すべきこと】背景・経緯などをまとめる

離婚についてすでに配偶者や他の人と揉めている場合は、相談までの背景やトラブルに至る経緯や内容をまとめておくのがおすすめです。

弁護士に突然聞かれても、複雑な状況を口頭で説明することは誰にとっても難しいですので、紙に書き出しておくと内容が整理されます。

例えば、不倫慰謝料の相談の場合は、以下のように箇条書きでまとめておくのが良いでしょう。

・離婚理由:夫の不倫が原因で離婚を検討
・婚姻期間は10年・子ども2人あり(小学生)
・夫の不倫期間:2020年◯月○日〜現在
・夫の不倫相手:職場の同僚
・不倫の証拠:メッセージアプリのやりとり・夫が口頭で認めた
・忙しくすれ違いの生活のため、なかなか離婚について踏み込んだ話し合いができていない
・夫は不倫相手と別れたと話している
・夫の不倫相手にも慰謝料請求をしたい

上記では、不倫による離婚を想定しましたが、別の離婚原因がある場合にはそれも含めて書き留めておきましょう。弁護士は、何がいつ、どのような経緯で行ったのか、という事実を重視します。

【準備すべきこと】参考資料を準備する(証拠・財産状況)

離婚前に財産分与や慰謝料、子どもの養育費等の離婚条件について整理して文書化しておくことは重要です。

離婚を決めたら、まず財産状況を把握しておきましょう。離婚する場合は財産分与で財産を半分ずつに分けることができます。財産を取られたくないと相手が思った場合には、財産を隠す可能性もありますので、事前に把握しておくことが重要です。

預貯金の通帳のコピーや不動産、自動車、生命保険、給与明細、などあらゆる証拠を客観的な書類やデータとして残しておくことが重要です。

また、離婚原因が不倫の場合は、不倫相手とのメールのやりとり、録音データ、探偵が集めた資料など、DVの場合は、ご自身で記している日記や医師による診断書なども客観的証拠になります。

決定的な証拠をどれくらい持っているかによって離婚条件の交渉で有利に立てるかどうかが変わります。

証拠があれば、弁護士も具体的な慰謝料額に関すること等や今後の見通しについての説明もしやすいので、できるだけ証拠を集めておきましょう。

離婚を弁護士に相談する際の流れ・内容

次に、実際の弁護士相談の流れや内容、ポイントについて簡単にご説明します。

離婚に強い弁護士を選ぶ

まずどの弁護士に相談するのかを決めなければいけません。弁護士を探す方法としては主に以下の3つが考えられます。

・インターネットで「地名+弁護士」「離婚+弁護士」の文言等で検索
・知人の紹介
・法テラスで紹介してもらう

探し方はどれでもOKです。特に探し方に優劣があるわけではありません。ですが、一番簡単なのは、インターネットで検索する方法でしょう。検索にかけてみると、たくさんの弁護士や法律事務所が引っかかりますので、その中から相談しやすい弁護士を選んでください。

どの探し方でも同じですが、必ず離婚問題の実績があるかどうかは、公式ホームページ内の「解決事例」のページなどで確認しましょう。

知人の紹介の場合ですと、離婚以外の事案に精通した弁護士の場合もありますので注意が必要です。

電話・メールで予約

法律事務所や弁護士の目星をつけたら、次に電話またはメールで「予約」をしましょう。

ホームページで指定されている方法であれば、どちらでも大丈夫です。今すぐ相談したいという緊急の相談の場合もあるかもしれませんが、法律事務所の場合、予約なしに相談に行っても聞いてもらえないことが多いです。

弁護士は多忙のため、予約することは必須だと考えてください。

またメールで予約する場合、証拠や資料を整理して送付した方が話は当日の相談はスムーズに進みます。

予約当日の事務所面談

予約したら、当日は時間に遅れないように事務所に行くようにしましょう。弁護士は、次のアポイントが入っていることも多いので、時間に遅れる場合は必ず連絡してください。

当日の服装では特に指定はありません。リラックスできる格好で大丈夫です。手土産も不要です。弁護士に会ったら、上述した相談の仕方の項目で解説をした資料などを元に現状と解決したいことを弁護士に伝えてください。

その上で、ご自身の希望が通る可能性や今後の行動について詳しく聞き、忘れないようにメモを取ることもおすすめします。なお、録音する場合は、弁護士に聞いて許可を得て下さい。

また、今後依頼するために、弁護士費用についても聞いておきましょう。慰謝料請求の場合は、費用倒れすることもあるので、その点も聞いておきます。

依頼

依頼は、その日に決める必要はありません。家に帰ってから検討しても大丈夫です。

必要な場合は再相談もできます。初回相談が無料だった場合、2回目はお金がかかってしまいますので、この点もきちんと確認を取りましょう。

依頼すると決めた場合には「着手金」を支払い、その後状況に応じて、離婚条件の交渉や調停、訴訟などの措置を取っていくことになります。

弁護士に相談する際の注意点

最後に、弁護士に相談する際に知っておくべき注意点をご説明します。

弁護士に依頼を断られるケースがある

弁護士に依頼したいとお願いしても、その後弁護士から断られることはあります。その主な理由としては、以下の通りです。

・勝てる見込みがない場合
・費用倒れの可能性が高い場合
・相談者と信頼関係を築けない場合

弁護士でも状況によって解決が不可能と判断する場合もありますので、このようなケースの場合は他の弁護士をあたってみましょう。

自分にとって不利なことも隠さず話す

弁護士と話すときに注意してほしいのが、自分にとって「不利な事実」を隠さないようにすることがポイントです。

弁護士としては、相談者・依頼者からの情報が全てです。ここに嘘があると、前提事実が崩れてしまいますので、適切なアドバイス、解決策を導き出すことは難しくなってしまいます。

隠すつもりはなくとも、些細な内容なので話す必要がなかったと考えることもあります。「もしかしたら必要かも?」と思うことは念の為、聞かれなくても弁護士に話しておくことが重要です。

自分にとって不利な情報は人に共有したくないものです。しかし、秘密にしてしまうと後でご自身の状況が不利になってしまうこともありますので、不利な事実でも弁護士には事実を伝えるようにしましょう。

離婚に関するお悩みは弁護士にご相談を

離婚についてトラブルやお悩みがある場合は、まずは準備をして、電話やメールで予約して弁護士に相談してください。

法律的視点で、あなたにとって有利な離婚条件を引き出します。

なかなか進まなかった離婚条件に関する交渉の流れがスムーズになり、有利に解決したという事例も多いので、まずはお気軽にご相談ください。

 

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