旦那が起業したいと言い出したら|応援できない?その心理と言ってあげられること

家庭問題

妻が夫の起業を応援できない心理的な背景

夫が起業したいと言い出した時、あなたは本当に応援できていますか?

妻が抱える不安や葛藤を正直に分析し、その心理的な背景を挙げてみました。

準備不足や計画について甘さを感じる

妻として、夫の起業に対する不安は特に、事業計画の甘さや準備不足を感じると、応援する気持ちが薄れてしまいます。

夫が「このエリアでは間違いなく売れる」と楽観的に語るものの、十分な分析がなされていないことに不安を感じるのは当然です。また、事業計画書を見せてもらっても、売上の根拠が曖昧だったり、ターゲット顧客の分析が表面的だったりするのに、夫が「詳細は走りながら考える」と気楽な姿勢をとることにも、不安を感じざるを得ません。

資金計画についても、「最初の半年は売上がなくても大丈夫」と言いながら、実際の貯金額や生活費の試算が甘く、予備費も考慮されていないケースがあります。「子どもの習い事代や保険料、老後の積立などは考慮されているの?」と具体的な質問をしても、明確な回答が返ってこないことに、妻として大きな不安を抱かざるを得ません。

さらに、夫が「SNSで宣伝すれば勝手に広がる」「友達が営業を手伝ってくれる」など、人任せの部分が多い計画を立てていることを見ると、本当にこれで大丈夫なのかと心配になります。

しかし、そのような懸念を口にすると、「細かすぎる」「夢がない」と言われそうで、なかなか本音を伝えられない状況にあります。

経済的不安からくる心理

妻の視点から見ると、夫の起業は家計の安定性を根底から揺るがす可能性があり、心配な面もあります。

「子どもの中学受験のための月8万円の塾代は必要不可欠なのに…」「夫の事業が軌道に乗る前に貯金が底をついたら、どうやって生活していけばいいの?」「予定していた教育プランを諦めなければならないかもしれない」という現実的な懸念が常に頭をよぎります。

また、毎月の売上や生活費の確保といった不確実性に、心が落ち着かない状態が続くかもしれません。10年かけて築いた貯金が月々減っていく様子を見るのは、精神的な負担も大きいでしょう。特に子育て中の場合、教育費や医療費など必要不可欠な支出が多く、その重圧は倍増します。

「子どもが急に熱を出して病院に行くことになっても、保険証は使えるのだろうか」「授業参観の後の懇親会でも、財布の中身を気にしながら過ごさなければならないのかも」など、日常生活の些細な場面でも出費を気にしながら過ごさなければならないなど、不安が顔を覗かせます。

これまで当たり前のように送ってきた安定した暮らしが大きく変わるかもしれないという現実に直面し、「このままの生活を続けたい」という気持ちが強くなるのは、むしろ自然な心理反応だと言えます。

夫婦関係の変化への不安

起業後、夫の生活リズムや仕事時間が大きく変化することで、家族との絆が希薄化する可能性があります。毎日決まった時間に帰宅し、家族と過ごす日々が遠い過去のように感じられてしまうかもしれません。

不規則な仕事時間により、食事の時間が合わなくなったり、深夜までの仕事で睡眠時間がずれ、お互いのリズムが噛み合わなくなる可能性があります。「おかえりなさい」の挨拶を交わす機会が減り、すれ違いの生活が常態化してしまうかもしれません。

夫が朝4時まで仕事をして昼過ぎまで寝ているため、妻と子どもたちは別々に食事を取らざるを得ない状況に陥る可能性があります。子どもたちから「パパはいつ帰ってくるの?」「どうしてパパと一緒にご飯が食べられないの?」と問われても、明確な答えが出せない辛さに直面するかもしれません。

休日の仕事が増えることで、家族との共有時間が自然と減少していくことも懸念されます。これまで大切にしてきた家族の思い出作りの機会、月に一度の家族旅行や週末のピクニックなども失われていく可能性があります。

子どもの運動会や参観日に一度も参加できず、子どもが寂しい思いをしたり、妻一人で子育ての重要な場面を抱え込んだりする状況に陥る可能性があります。「うちの子だけお父さんが来ていない」という子どもの寂しそうな表情を見るたびに、胸が締め付けられる思いがするかもしれません。

夫婦の会話が単なる日常的な用件だけになってしまい、お互いの思いや悩みを共有する機会が失われていくのは心配です。

妻が体調を崩して病院に行きたいと相談しても「今は忙しいから自分で対応してほしい」と突き放してしまったり、子どもの誕生日会を「重要な商談が入った」と当日にキャンセルしてしまったりするのは、起業に対する理解と支援が欠けていることを示しています。

失敗した場合の不安

起業が失敗した場合、再就職や生活再建に多くの困難が伴います。年齢的な条件から、以前と同等の待遇での転職は難しいことが予想されます。特に40代、50代での失敗は、その後の生活に大きな影響を及ぼすでしょう。

家計管理や借金返済など、家族全体で耐え抜いていかなければならない期間が続くことが考えられます。夫婦でアルバイトを掛け持ちしたり、生活費を削減するために引っ越しを余儀なくされる可能性もあります。

地方の場合、コミュニティが狭いため、失敗した人に対する噂が広がり、子どもがいじめられたり、妻の近所付き合いが気まずくなることも懸念されます。

夫が起業!妻はどうすべき?

突然、夫が起業を決意したと言われたら、あなたはどうしますか?

夫の新たな挑戦をどうサポートすれば良いのでしょうか。妻としても妻個人としても理解と協力が必要となります。

夫の気持ちを理解する

夫の思いを知ることが冷静な対話につながります。夫の話を否定せず、じっくり聞く姿勢が大切です。「どうしてそう思ったの?」「今の仕事でどんなところが辛いと感じているの?」といった質問を投げかけると、具体的な気持ちや考えが見えてきます。

また、単に「起業したい」と言うだけでは漠然としており、共感もしづらいものです。「何をきっかけにそのアイデアを思いついたの?」「5年後、10年後にどんな状態を目指しているの?」などと問いかけることで、夫の計画性や熱意が見えてきます。

応援できない理由を冷静に伝える

夫の意向を理解した上で、それでもなお応援することができない理由がある場合は、感情的ではなく理性的に伝えることが重要です。

「あなたが頑張りたい気持ちは理解できるけど、家計への影響や家族の生活を考えると不安があるの」といった具体的な懸念点を挙げることで、単なる否定ではなく、建設的な意見として受け取ってもらいやすくなります。

例えば、「あなたの頑張りたい気持ちはよくわかりますが、家計への影響や家族の生活を考えると不安があります」といった具合です。このように、相手の立場に立って丁寧に説明することで、お互いの理解を深めることができます。

「今の私には応援する自信がないけど、一緒に考え直す時間を持ちたい」と提案することで、夫婦で気持ちを共有し合う機会を作ることができます。

この段階では、どちらかが自分の意見を押し付けるのではなく、お互いの立場や気持ちを理解し合うことが重要です。この相互理解の土台があれば、次の展開に進みやすくなるでしょう。

 夫の起業を食い止めるべきパターン

夫が現在の仕事に不満を抱いているだけで、具体的な事業計画やマーケット調査、資金計画といった準備が全くない状態で起業を考えている場合は、慎重に対応する必要があります。

「今の会社が嫌だから」「上司との関係がうまくいかないから」「給料が安いから」といったネガティブな理由だけで起業を検討し、「なんとなく飲食店をやりたい」「コンサルタントになれば稼げそう」といった漠然とした思い付きレベルの発言しか聞かれない場合はとめるべきです。

また突然、「友人と話していて面白いアイデアが浮かんできた」からと、起業を提案してくるケースには注意が必要です。友人への依存度が高く、責任の所在が曖昧になりがちです。例えば、「彼は営業が得意だから」「資金も友人が出してくれる」といった具合です。

また、過去の行動パターンや性格を見ると、「転職を繰り返しては長続きしなかった」「新しいことに取り組んでも困難に直面すると投げ出してしまう」といった傾向がある場合は、慎重に判断する必要があります。さらに、「お金の管理が杜撰で、突然の散財や借金を作ってきた」といった前歴がある場合も、起業をすすめるのは避けるべきでしょう。

応援すると決断した場合

起業という大きな挑戦に踏み出した夫に対して、妻ができる最も重要なサポートは、心からの応援と信頼を示すことです。

前向きな言葉で気持ちを伝えることが大切です。「すごい決断だね。私は応援しているよ」「あなたの経験と能力があれば、きっとうまくいくはず」といった言葉は、夫に大きな勇気を与えます。

一方で「本当に大丈夫なの?」「失敗したらどうするの?」といった否定的な言葉は、たとえ心配からくるものであっても、夫の自信を削ぎ、モチベーションを下げてしまう可能性があります。

日々の小さな会話や態度が、起業の成功を左右する大きな要因となることを忘れないようにしましょう。

まとめ

妻が夫の起業を応援できない背景には、準備不足や甘い計画への不安、経済的不安、夫婦関係の変化への懸念、失敗のリスクがあります。特に、家計の安定性が揺らぎ、子どもの教育費や生活費の不確実性が心を悩ませ、また、夫の不規則な生活が家族の絆を希薄化させ、起業失敗時の再就職の難しさや地域社会での噂も心配の種となるのです。

夫が起業を決意した場合には、妻はまず夫の気持ちを理解し、冷静に対話を持つことが重要です。
具体的な不安や懸念を理性的に伝え、共に考える時間を持つことで相互理解を深めます。もし夫に具体的な準備がない場合は慎重にアドバイスし、応援する場合は前向きな言葉で支えることが大切です。日常の小さな言葉や態度が、夫の起業成功に大きな影響を与えることを忘れないようにしましょう。

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