DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者や親密な関係にある相手から受ける暴力のことを指します。この暴力には、身体的なものだけでなく、精神的な暴力や性的な暴力も含まれます。
例えば、ある女性が旦那に殴られたり、蹴られたり、物を投げつけられたりした場合、彼女は「自分に何か原因があるのではないか」と悩むことがあるかもしれません。しかし、どのような理由があったとしても、暴力を受けることは決して正当化されません。
では、どのような場合にDVの被害者になりやすいのでしょうか。そして、なぜ被害者が逃げにくい心理状態に陥るのでしょうか。さらに、DVを誘発させないためには、どのような心構えや行動が有効か、よく考えてみることが重要です。
DV被害者の特徴・逃げられない心理とは
DVを受けやすい女性の特徴は?その時の心理なども考えてみましょう。
すぐ謝る・自己肯定感が低い
喧嘩になっても、言い返さずにすぐに謝ってしまう方もいらっしゃるでしょう。そのような方は、自分に自信がなく、言いたいことを言えずに低姿勢になってしまいがちです。結果、喧嘩の原因を「自分が悪い」と自分のせいにしてしまうことがあります。
このような傾向は、子供の頃の環境に起因している場合もあります。例えば、子供の頃に周りから容姿や勉強に関して強い言葉で批判されたり、他の人と比べられたりすることで、自己肯定感が低くなることがあります。その結果、相手の支配欲を満たしてしまったり、「この人には何を言っても大丈夫だ」と思われてしまうのです。
頼みごとを断れない
相手が言ってきたことに対して、拒否せずに言いなりになってしまう方は多いです。例えば、欲しいものがあるとすぐに買ってあげたり、無理な要求をされて強く頼まれると、叶えてあげようとすることがよくあります。その際、理由もなく断ることができず、断るときには「その後、相手が辛く当たってくるかもしれない」「捨てられるかもしれない」と感じてしまうことはありませんか?
相手が不合理であったり、変わっていたりしても、そのことに気づかないことが多いのです。結果的に、相手には「お願いすれば何でも言うことを聞いてくれる人」という印象を持たれてしまい、まるで召使いのように扱われてしまうのです。
依存心が強い・情に流されやすい
孤独に耐えられず、常に誰かと一緒にいないと落ち着かない方もいらっしゃいます。「私にはこの人がいないとダメ」とか「私がいないとこの人はダメになる」といった思いに囚われがちです。
その方は、周囲にいる人が「いい人」でも、例えば酔うと暴力的になったり、すぐにキレてしまったりする場合であっても、その人の良いところだけを見て情に流され、我慢してしまいます。DVをする男性に対しても、心の中で「この人はかわいそうな人だから」と同情し、その結果、暴力がエスカレートしても離れられなくなるのです。
悪い男性がタイプ
DVをするような男性に惹かれてしまう方もいます。そういった男性の悪い一面に惹かれ、嫌いになれないと感じることがあるのです。他の人間関係では味わえない出来事を刺激やスリルとして感じ、それを恋愛感情と混同してしまうことがあります。
また、母性本能がくすぐられ、「私がこの人を助けたい」「私はこの人と一緒にいたい」と思ってしまうこともあります。このような感情が強くなることで、相手の暴力的な一面や問題を見過ごしてしまうのです。
我慢しがち
家庭環境などの影響で、今まで我慢しながら生きてきた方がいます。そういった方にとって、我慢する生活が当たり前になっていることがあります。自分を犠牲にして他の人を優先することが多く、自分だけが耐えればいつか相手も変わると考えてしまうことがあるのです。
「私さえ我慢すれば良い」と勘違いし、理不尽な暴力にもひたすら耐えてしまうことがあります。このような状況は、自分の心や身体に大きな影響を及ぼすことがありますが、自分を守ることが大切です。
DVを誘発させないようにするためには
DVを誘発させないようにするためにはどうすればいいのか考えてみましょう。
芯の強さを持つ
DVをされにくい女性は、芯の強いブレない意志を持ち、自分が嫌だと思ったことははっきりと伝えるタイプが多いです。DVは支配と被支配の関係性の中で起こるため、自己主張ができる女性や支配できない女性にはDVを行う男性は関心を持たないことが一般的です。
自分の軸を磨くためにも、恋愛や男性に依存しすぎず、新たな目標を持つことや自分自身の価値観を明確にすることが大切です。まずは、自分が何をしたいのかを考えることで、より自分らしく生きる道を見つけられるかもしれません。
コンプレックスを冷静に分析・きちんと向き合う
自己肯定感が低く、理不尽な暴力を受けても我慢してしまうのは、心の問題が影響していることがあります。自分がDVを許してしまう理由を冷静に振り返ることが大切です。コンプレックスや過去のトラウマなど、自分の心の問題に気づくことで、客観的に自分の状況を把握できるようになります。
コンプレックスと向き合い、少しずつそれを自分の個性として受け入れることで、自信を持つことができるかもしれません。このプロセスを通じて、自分を大切にする気持ちを育て、自分自身を守る力を高めることができるでしょう。
専門家による心理カウンセリング
自分では気づいていない心の病気があるかもしれません。そのため、一度専門家に相談してみることをお勧めします。専門家はあなたの話をじっくりと聞いてくれ、適切な質問を投げかけることで、あなた自身の感情を受け入れる手助けをしてくれます。
カウンセリングを通じて、アドバイスや治療を受けることができ、無意識に押し込めていた感情や、他者から見た自分の状態を理解することができるでしょう。専門家との対話によって、自分自身をより深く知る機会を持つことができるかもしれません。
まとめ
DV(ドメスティック・バイオレンス)は、配偶者や親密な関係からの身体的、精神的、性的暴力を指します。
被害者は「自分に原因がある」と悩むことが多いですが、どんな理由でも暴力は正当化されません。
DVを受けやすい女性には、自己肯定感が低くてすぐ謝ってしまう、頼みごとを断れず言いなりになってしまう、依存心が強い、悪い男性に惹かれる、我慢しがちな傾向があります。
これらの心理状態は過去の家庭環境や人間関係に起因することが多いです。
DVを防ぐためには、芯の強さを持ち自己主張ができることが重要です。自分自身の価値観を明確にし、コンプレックスを冷静に見つめ直すことも役立ちます。さらに、専門家によるカウンセリングを受けることで、自分の感情や状況を理解し、心の健康を保つ助けになることが期待されます。
DV相談+(プラス)という内閣府が立ち上げた相談できる場所もありますので一度相談してみる勇気を持ってみてはいかがでしょうか。
コメント