今ちょうど離婚調停中の方、もしくはこれから離婚調停を控えている方は、離婚調停中どのようなことに気をつけて生活しなくてはならないかご存知でしょうか?
離婚調停中の行いによっては、不貞行為とみなされてしまい慰謝料の対象となったり、離婚がスムーズにいかないこともあります。
今回は、離婚調停中にやってはいけないこと、さらに離婚調停を有利に進めるために気をつけておきたいポイントをご紹介していきます。
離婚調停中にやってはいけないこと
離婚調停中にやってしまうと、離婚調停が不利になってしまう行動があります。
まずは離婚調停中にどのようなことをしてはいけないのか、まずは1つずつ確認していきましょう。
配偶者以外の異性と付き合うこと・同棲・デート
まず1番避けなくてはならないのは、離婚前に配偶者以外の異性と肉体関係を持ってしまい、不貞行為とみなされてしまうことです。
仮に肉体関係がなかったとしても、同棲も浮気に該当します。
さらに、配偶者以外とのメールや電話・デートなどが発覚した場合には、離婚調停において重要な鍵となる調停員への印象が悪くなることが避けられないだけではなく、慰謝料支払いの対象になる可能性もあります。
ただしすでに婚姻関係が破綻している場合には、配偶者以外との交際は、性交渉があったとしても不貞行為とはなりません。
一方的に家を出ること
夫婦間での話し合いを行うことなく、勝手に家を出て別居を開示してしまった場合には、夫婦の同居義務違反に当たります。
仮に配偶者の不倫などが原因となって家を出た場合であっても、義務違反が成立してしまう可能性があります。
離婚調停を上手く進めるためにも、言い争いなどで自分には落ち度がないと考えられる場合であっても、感情的に家を飛び出してしまうようなことは避けましょう。
夫婦間でよく話し合ったうえで、お互いに別居の合意をした場合には、その夫婦間での合意を証明しなければなりません。
調停中に相手方と連絡をとること
離婚調停中は、相手方と勝手に連絡を取らないようにしましょう。
離婚する前でまだ夫婦という間柄であっても、相手に対する抗議などをメールや手紙などで送ってしまうと、離婚調停に不利となってしまいます。
さらに調停員を介さずに直接連絡をすることによって、双方の感情的な対立が激しくなることがあります。
もしも相手方から誹謗中傷の連絡が来たような場合には、言い返したい気持ちはぐっと抑えて、安易に返事をせずにメールや手紙を保管し、証拠として提出するようにしましょう。
離婚調停で勝つには|上手くいくためのポイント
離婚調停を自分の有利に進めるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
離婚調停中には、これから紹介する以下のポイントに気をつけて日々の生活を送るようにしましょう。
調停員に良い印象を与える
離婚調停を有利に進めるための鍵は調停員への印象だと言われます。
有利に離婚調停を進めるためには、調停員に話す際の姿勢や話し方に注意して良い印象を受けてもらえる態度を心がけましょう。
特に話し方は大切です。
離婚したいという決意をした配偶者のことを話すときには、ついつい感情的になってしまうものですが、感情的な対応はできる限り避け、言葉遣い・話すトーン・スピードなどに注意して話すようにしましょう。
またあまりにも派手な服装も良い印象を与えるとは言えません。
服装はシンプルな洋服を選ぶことを心がけ、ブランド品や華美な宝飾は避けると良いでしょう。
陳述書を作成・提出する
「陳述書」とは、これまでの夫婦関係のトラブル等を書面化したもののことです。
口頭で話したり、必要書類などで伝えたりするだけではなかなか理解してもらうことの難しい夫婦関係の実情や主張を、調停委員に的確に把握してもらうことができます。
とはいえ感情に任せた陳述書ではいけません。
本当に伝えたいことを簡潔にわかりやすくまとめることを心がけるようにしましょう。
具体的なエピソードを提示する
長々と自分の話したいことを羅列して話してしまうのではなく、1番自分の伝えたいこと、言い分を理解してもらえるような話を厳選して提示するようにしましょう。
例えば暴言を吐かれたような場合には、言われた暴言の内容を具体的に提示するとよいでしょう。
主張の根拠となる証拠を提示する
自分の主張の根拠となるような証拠がある場合には、きちんと保管して提示することをおすすめします。
例えば、
- 暴言を吐かれたような場合には、相手方の暴言が録音されている音源
- 暴力を受けて怪我をした場合には、医師の診断書
- 浮気や不倫をされた場合には、相手との不倫関係が明確なメールなどのやり取りや、ラブホテルなどに出入りしている写真
などをあげることができます。
このような証拠は、主張の根拠づけとなるだけではなく、調停員に有利な印象を持ってもらうための材料となります。
希望する条件に固執しすぎない
誰でも少しでも有利な条件で離婚したいと考えるものです。
しかし自分の提示する条件に固執するあまり、離婚不成立となってしまうケースも多々あります。
離婚は通常夫婦間での合意なくして実現するものではありません。
お互いに合意できる着地点を探すためにも、柔軟に条件設定を行い、臨機応変に条件の変更を行いながら相手方に提示するのが良いでしょう。
訴訟になった場合の見通しを持つ
離婚調停を通しても離婚が成立せず、裁判となってしまった場合の費用や期間をあらかじめ理解しておくようにしましょう。
裁判への見通しを踏まえて調停に臨むことで、どの程度まで譲歩できるのか、または裁判になったとしても譲歩できないのか、など自分自身の心を冷静に判断する手助けになるでしょう。
まとめ
一度は一生添い遂げると誓った相手との離婚調停中には、感情が高ぶることも不安に感じることも多いものです。
しかし調停が終わるまでは出来る限り感情的にならずにあくまでも冷静でいることを意識し、勝手に家を出たり新たな恋愛を始めることは控えるようにしましょう。
また、離婚調停では調停員の方に良い印象を持ってもらうことが大切です。
服装や話し方などに気をつけるだけではなく、調停に向けて言いたいことを整理してまとめておくことをおすすめします。